荷役費とは?

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荷役費

荷役費とは?

荷役費(にやくひ)とは、物流業務のうち「貨物の荷役作業」にかかる費用の総称です。

まず、「荷役」の定義について、日本産業規格は以下のように定義しています。


「 物流過程における物資の積卸し,運搬,積付け,ピッキング,仕分け,荷ぞろえなどの作業及びこれに付随する作業。マテリアルハンドリングともいう。 」

引用:日本産業規格「JISZ0111:2006物流用語」 5001 荷役
   https://kikakurui.com/z0/Z0111-2006-01.html

従って、荷役費とは、倉庫や港湾での積み込み・荷下ろし・仕分け・ピッキングなど、荷物の入庫から出庫までに伴う一連の作業(荷役)に伴って発生するコストを指します。

運賃や保管料と異なり、荷役そのものにかかる人件費や機器の使用料などを切り分けて把握することで、コスト構造の可視化と在庫管理・輸送効率の改善に役立つ概念です。

荷役費の主な内訳と作業内容

荷役費の内訳として代表的なものは、作業員の人件費、フォークリフトやコンベヤなどの設備使用料、現場の管理費、深夜・休日対応に伴う割増費用などです。

実務上、荷役費に含まれる作業としては次のようなものがあります。

入庫作業:トラックからの荷下ろし、検品、ラベリング、棚入れ

出庫作業:ピッキング、仕分け、梱包、積付け、トラックへの積み込み

庫内搬送:倉庫内でのロケーション移動、在庫整理、レイアウト変更に伴う移動

これらの作業は、在庫管理の精度や倉庫レイアウト、WMS(倉庫管理システム)の有無によって工数が大きく変動するため、「どの作業にどれだけ荷役費がかかっているか」を工程ごとに見える化することがポイントになります。

荷役費の計算と最適化のポイント

ここでは、荷役費の一般的な計算方法と、荷役費を最適化するポイントについて紹介します。

荷役費の計算式

荷役費は「単価 × 作業量(または時間)」で算出されるケースが多く、例えば以下のような計算式が用いられます。

「荷役費単価 ×(入庫数量+出庫数量+その他作業数量)」

また、事業者との契約条件や、貨物の特性に応じて、個数ベース、パレットベース、重量トンベース、TEU(20フィートコンテナ換算)ベースなど、計算単位・基準が異なる点も押さえておく必要があります。

荷役費最適化のポイント

荷役費を最適化する際には、単価交渉だけでなく、そもそもの作業量を減らす視点が不可欠です。
例えば、ロット設計の見直しやケース単位での出荷比率向上、倉庫レイアウトの改善、マテハン設備導入などにより、同じ物流量でも必要なピッキング回数や庫内移動距離を削減できます。

また、在庫管理ルールの整備によって、ムダな移動や検品の二度手間を抑えることも荷役費削減に直結します。


荷役費を含めた物流コスト全体を俯瞰したうえで、輸送効率と倉庫作業のバランスを最適化することで、サプライチェーン全体のリードタイム短縮にもつながります。

荷役費の位置づけ

荷役費は「省くことはできないが、削減余地が大きいコスト」として重視されます。
同じ物流量でも、倉庫内の動線設計、在庫配置、システム活用状況などによって荷役工数が大きく変わるため、現場診断とデータ分析を組み合わせた改善策が有効です。

具体的には、物流コンサルティングサービスを導入し、専門家による作業時間の実測や分析による在庫配置の最適化、波動を踏まえた人員配置の見直しなどを通じた、荷役費とリードタイム双方の改善です。
こうした取り組みは、単なるコスト削減だけでなく、誤出荷の低減やサービスレベル向上にもつながるため、荷主企業および物流パートナー双方にとって重要です。 荷役費は、正しく理解し、自社の物流コスト構造の中でどの程度の割合を占めているかを把握することで、今後の投資判断や業務委託の検討にも役立ちます。

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