ミルクラン方式とは、巡回集荷を意味する輸送方式です。この方式は、牛乳メーカーが原料である生乳を調達するために、各牧場を巡回し効率的に集荷することから名付けられました。
これが転じて、メーカーが必要とする原材料や部品を各サプライヤーの工場を巡回しながら集荷する方法をミルクラン方式と呼びます。
ミルクラン方式を導入することによって、輸送に利用するトラックの台数が減少します。そのため納品先の物流拠点や工場などで、トラックがバラバラに到着する度に検品作業を行う場合に比べ、作業頻度が減少します。
さらにトラックの台数が減ることで、CO2排出量の削減につながるなど、環境面においてもメリットがあります。
ミルクラン方式は、1台のトラックを巡回させて各サプライヤーから原材料や部品を集荷します。
したがって、各サプライヤーがトラックを各自で手配し輸送する手間が省けるため輸送コストの削減ができます。
限られた時間内で複数のサプライヤーを巡回して集荷を行うため、集荷時間の調整が難しいという課題があります。
巡回するサプライヤーが、入荷先の拠点や工場の周辺に集積している場合は、ミルクラン方式のメリットを享受できますが、1箇所でも離れた場所に集荷先がある場合、輸送距離が長くなり輸送コストが高くなります。
また、輸送量が多く1台のトラックに積載できない場合は、複数車両が必要となりコストアップの要因となります。
集荷先の敷地面積が狭いと、大型トラックが入構できないケースがあります。
その場合、個別で4トンなどの中型トラックや小型トラックで集荷する必要があります。積載量の上限によってはミルクラン方式のメリットを生かせない場合があります。