コンテナとは?

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コンテナ

コンテナとは?

コンテナとは、広義では物流における輸送用の箱を意味します。
また、コンテナはオリコン(折りたたみコンテナ)の様な比較的小さいものから、海上輸送に利用される大きなものまで、さまざまなタイプがあります。
本用語解説では、一般的にコンテナと呼ばれる海上輸送用のコンテナ(海上コンテナ)について説明します。

1.コンテナの定義

コンテナとは、国際物流において貨物を安全に輸送するために標準化された大型の金属製の箱であり、物流インフラの要素の1つです。
コンテナは耐久性に優れ、繰り返し使用できます。
船舶・トラック・鉄道など異なる輸送手段間で箱単位での積み替えが容易な設計となっているため、内容物の出し入れや積み替えをせずに一貫輸送ができます。

海上コンテナは、ISO(国際標準化機構)が定めたISO 668:2020(Series 1 freight containers — Classification, dimensions and ratings) によって、内寸や外寸、開口ドアの最小サイズなどが標準化されているため、世界中で共通して使用することができます。

2.コンテナの種類

海上コンテナの主な種類は以下のとおりです。
箱状の形状だけでなく貨物の特性や物性に合わせた形状があり、効率的な輸送を実現します。

1)ドライコンテナ(一般貨物用)

一般的に利用されている箱型のコンテナです。

2)リーファーコンテナ(温度管理が必要な貨物用)

箱型のコンテナのうち、冷蔵品や冷凍品、定温品などの温度管理が必要な貨物の輸送に使われるコンテナで、コンテナの内装には断熱材があり、コンテナ内の温度を一定に保つための冷蔵・冷凍ユニットがついています。

3)オープントップコンテナ(上部開放型)

コンテナの屋根部分がなく、開放されているコンテナです。
通常の箱型のコンテナでは積み込みが難しい大型貨物や重量物、長尺物、不規則な形状の荷物の輸送に適しています。

4)フラットラックコンテナ(側面開放型)

天井や側面がない開放型のコンテナです。
大型機械や木材などの重量物や長尺物を輸送する際に使用されます。

5)タンクコンテナ(液体輸送用)

液体や気体を輸送するための特殊なコンテナで、ISO規格に基づいて設計されています。
食品や化学品、石油製品、医薬品などの輸送に使用されます。

3.海上コンテナの規格・サイズ

前述のとおり、コンテナはISO規格に準拠しています。大別すると20フィート(長さ約6m、幅約2.4m、高さ約2.6m)と40フィート(長さ約12m、幅約2.4m、高さ約2.6m)のコンテナがあります。

容積単位はTEU(Twenty-foot Equivalent Unit)で表され、20フィートコンテナが1TEUです。
なお、TEUとは、物流における貨物の量を表す単位であり、20フィートの海上コンテナに換算した貨物の量を表します。

一方、日本には独自の内航用のコンテナとして12フィートサイズなどがあり、国内輸送のみに使用されています。高さも標準、ハイキューブ(背高)など複数の規格があり、用途に応じて選択できます。

4.海上コンテナの歴史

海上コンテナは1950年代に米国のマルコム・マクレーン氏が発明したインターモーダル輸送により広く利用される様になりました。
それ以前は「バラ積み」方式で非効率だった海上輸送ですが、コンテナ化により荷役作業の効率が劇的に向上しました。
また、コンテナは1960年代にISO規格が確立され、1970年代に世界的に普及しました。輸送と国際貿易に革命をもたらしたコンテナの普及は、グローバルサプライチェーンを支える極めて重要なインフラとして評価されています。

5.海上コンテナの利用方法

コンテナ輸送では、まず荷主が貨物をコンテナに詰める「バンニング」を行い、船会社やフォワーダーを通じて輸送船の予約をします。その後、トラックでコンテナヤードに運ばれ、船積みされます。目的港に到着後は、通関手続きを経てトラックや鉄道などによって最終目的地まで輸送されます。主にFCL(コンテナ貸切)とLCL(コンテナ混載)といった利用形態があります。

6.コンテナを利用するメリット

コンテナ輸送の主なメリットは、荷役作業の効率化や時間短縮により、大量輸送の際に大幅なコスト削減を実現できる点です。

また、コンテナの規格化により、複数の異なる輸送手段(船舶、鉄道、トラック)間でスムーズな積み替えと輸送(インターモーダル輸送)を可能にしました。
さらに、貨物の安全性が高く、盗難・破損・紛失のリスクを軽減することもできます。
大量輸送によるスケールメリットが大きく、長距離輸送では航空機を利用した輸送と比べ極めて効率的です。

7.コンテナを利用するデメリット

コンテナ輸送のデメリットには、空コンテナの回送コスト、保管場所の確保などの問題があります。
また、小口貨物では非効率であることと、特殊形状の貨物には不向きであることもデメリットとしてあげられます。
さらに内陸輸送時のトラックや、物流インフラの整備が必要となるため、開発途上国などではコンテナを利用したオペレーションに制約が生じることもあります。

参考:国際標準化機構ISO 668:2020 https://www.iso.org/standard/76912.html
日本貿易振興会(JETRO)海上貨物のコンテナの種類 https://www.jetro.go.jp/world/qa/04J-120105.html
日本海事協会 海上コンテナ規則 https://www.classnk.or.jp/hp/pdf/rules/amendments/j-Amendments/14.06.30/170_csc_j.pdf

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