フルフィルメントとは、一般的にECサイトで注文された商品が顧客の手元に届くまでの全体の流れや必要な業務全般を意味します。英語（fulfillment）の直訳は「実現」や「達成」「充実」という意味です。フルフィルメントは従来の物流業務の範囲だけにとどまらず、注文受付・問合せ対応から決済、在庫管理、物流（ピッキング・梱包・配送）、アフターフォロー（サポート、返品・交換対応など）までの一連のプロセスをカバーします。具体的なフルフィルメント業務として以下の項目があげられます。
・問い合わせ対応
・受注処理
・入荷、検品
・商品保管、在庫管理
・ピッキング
・検品
・梱包作業
・出荷手配
・配送
・代金回収
・クレーム処理
・返品対応
これらの業務を代行するサービスとして生まれたのがフルフィルメントサービスです。現在では運送・倉庫事業者、Amazonや楽天といったEC事業者まで、さまざまな企業が参入し、フルフィルメントサービスを提供しています。フルフィルメントサービスと従来の3PLでは、請け負う業務範囲が異なります。フルフィルメントサービスを導入検討する際は、希望するサービスに対応しているか確認をすることが必要です。
フルフィルメントサービスを利用するメリットとして、商品開発やマーケティングなどのコア業務に注力できる点やコストをかけずにビジネスのスケールアップを図れる点があります。一方、デメリットとして商品管理・商品の可視化が難しくなることや関連業務のノウハウの社内蓄積が難しくなる点があります。フルフィルメントサービスが物流に加えて、決済処理やカスタマーサービスを請け負うのに対し、3PLは物流部門のみを請け負います。フルフィルメントサービス導入の際には物流コンサルタントに最適なソリューションを相談すると良いでしょう。
