モーダルシフトとは、トラックやトレーラーなどの自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へ転換することでCO2の排出量を削減する取り組みです。地球温暖化対策や脱炭素社会の実現などを背景に、環境への負荷軽減が企業に要求されています。トラックやトレーラーは輸送機関の中でもっともCO2の排出量が多いため、排出量の少ない鉄道や船舶に輸送方法を転換することで環境への負荷軽減を目指します。
モーダルシフトを活用すると、1輸送量あたりのCO2の排出量を大幅に減らすことができます。例えば、1トンの貨物を1km輸送(=1トンキロ)する場合、排出されるCO2の量はトラックが208gであるのに対し、鉄道は約1/10の20g、船舶は約1/5の43gです。
また、モーダルシフトは環境負荷軽減の側面のみならず、労働力不足の解消・働き方改革の観点からも取り組みが進んでいます。少子高齢化や生産年齢の人口減少、物流の2024年問題などにより、輸送の担い手であるトラックドライバーは減少しています。こうした社会情勢を背景に、一度に大量の貨物を輸送できるうえに、トラックドライバーの負担を軽減できるモーダルシフトが注目されています。
モーダルシフトした場合、トラック輸送は出荷先から鉄道や船舶へ輸送を切り替える転換拠点までと、着地側の転換拠点から納品先までの区間で済ませることができます。そのため、長距離の幹線輸送をするトラックドライバーの負荷軽減や長時間にわたる拘束時間の短縮ができます。
参考:国土交通省「モーダルシフトとは」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/modalshift.html