ラストマイル物流とは、物流センターや配送拠点などの「最終拠点」から、消費者・店舗などの最終届け先へ荷物を届ける最後の区間(最終配送工程)を指します。この区間は、サプライチェーンの中で顧客に最も近い接点になります。
ラストマイルは、時間指定・再配達・立ち寄りなど個別対応が多く、輸送効率を上げにくい工程です。
一方で、輸送効率は、配送品質(到着時間の正確さ、受け取りやすさ)に影響し、顧客体験やブランド評価にも直結します。
近年のEC拡大による都市部の配送量増加や、人手不足など、顧客の要求に応えるために、「最後の数十メートル」まで含めた物流の設計が課題とされています。
国土交通省の発表資料によると、物流の小口・多頻度化が急速に進行し、直近30年で貨物1件あたりの貨物量は減少したものの、物流件数がほぼ倍増しています。

さらに、大手宅配便事業者では、宅配ドライバーの人数が5年間で約7%減少している一方で、ドライバー一人当たりの配達個数が増加している状況です。

以上のことから、積載効率や輸送効率が下がり、ラストマイルの負荷が高くなっていることがわかります。
これらの課題を解決するために、置き配や街中にある宅配ロッカーなどを利用した「多様な受取方法」の普及・浸透に向けた消費者への呼びかけが実施されています。さらに、再配達の削減は、ドライバー稼働・燃料・CO₂なども同時に減らすことができるため、重要な取り組みです。
さらに、都市部・地方部それぞれの状況に合わせて、共同配送や拠点(マイクロハブ等)の使い方を工夫し、配送車両の流入数や荷さばき時間を減らす取り組みが実施されています。
出典:国土交通省 「ラストマイル配送を取り巻く現状・課題について」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001897922.pdf
ラストマイルだけを速くしても、倉庫での出荷波動や欠品、ピッキング遅延があると、配送側にしわ寄せが発生して輸送効率が落ちます。そこでカギとなるのが、サプライチェーン全体の効率化です。
例えば、出荷締め時間(注文締め時間)の設計、在庫の持ち方、物流における波動の平準化などを含む全体最適です。