Automated Storage and Retrieval System（AS/RS、以下AS/RS）は、直訳すると「自動化保管・取り出しシステム」という意味です。AS/RSは、コンピュータ制御されたハードウェアとソフトウェアを連携させた自動倉庫システムの総称を指します。AS/RSは入庫、保管、出庫のプロセスを自動化し、正確かつ高速に実行します。なお、「日本工業規格 JIS B8941：2012」には、立体自動倉庫システムに関する用語及び定義の説明があります。
AS/RSは、商品を保管するためのラック、商品をラックに移動させるためのスタッカークレーンやシャトル搬送車、シャトル台車、垂直リフト、AMR（自律搬送ロボット）などの自動化されたハードウェアと、WMS（倉庫管理システム）やWES（倉庫運用管理システム）などのソフトウェアで構成されます。こうした要素から組み合わせることで、顧客の物流オペレーションに最適化されたAS/RSを構築することができます。
AS/RSには3つのメリットがあります。
1つ目：スペースの有効活用による保管効率を最大化できる点
AS/RSは水平方向だけでなく、垂直方向にも高密度な保管スペースを拡張できるため、デッドスペースになりがちな倉庫の上部空間も有効活用できます。
2つ目：柔軟な拡張性がある点
事業の成長や拡大に伴う在庫増に対しても、システム全体を拡張することで保管スペースを拡大できます。
3つ目：入出庫や保管における効率化を可能にする点
商品の保管や取り出しが正確かつスピーディーになり、属人的な作業やコストの削減、作業ミスの削減などによる効率化を実現します。また、高所に保管された商品のピッキング作業も自動化できるため、安全性が向上します。 AS/RSは、製造業における仕掛品や完成品の保管、ECや流通業における在庫保管や仕分けなど、さまざまな領域に導入されています。
【参考】
JIS『立体自動倉庫システム−用語』
https://kikakurui.com/b8/B8941-2012-01.html
AutoStore『自動倉庫システムの全て』
https://www.autostoresystem.com/jp/insights/automated-storage-and-retrieval-systems-from-a-z
DAIFUKU 『自動倉庫システム』
https://www.daifuku.com/jp/solution/intralogistics/products/automated-warehouse/
