AMRとは、Autonomous Mobile Robotの略称で「自律走行搬送ロボット」と呼ばれます。自ら判断し、人や障害物を自動的に回避する自律的な走行が可能なロボットです。AMRは人と協力しながら働く「協働型ロボット」として、設計、開発されました。
似た様な言葉としてAGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)があります。AGVは走行用のガイドを利用する点で、AMRとは異なります。
AMRはピッキングエリアまで自律的に移動し、作業員にピッキングする品目や数量を指示します。作業員は棚から品目をピッキングしAMRに搭載されたコンテナ等の容器に格納します。その後、AMRは次のピッキングエリアまで移動するか、梱包、出荷エリアまで自律的に移動します。作業員はAMRと共に全工程を移動する必要はありません。商品の搬送はAMRに任せ、作業員はピッキング作業に集中することができます。
AMRの導入のメリットは作業員の移動距離の大幅な削減と、ピッキングした商品を台車等で搬送する負荷の削減です。作業員の移動距離と移動時間を減らすことで生産性の向上と省人化を図ることが可能です。従来は作業員が同時におこなっていたピッキングと搬送・移動の工程を分離することができます。
AMRは、導入に合わせて物流拠点の棚やラックなど既存設備の変更や、AVGに必要な走行用ガイドの設定が不要です。AMRは物流拠点のエリアを一周し、現場全体をマッピングすることで保管エリアや商品のデータを学習します。大規模な設備変更やレイアウト変更が不要なため、導入までの障壁が低く、早期に現場の自動化を実現できます。
AMRにはタブレットなどの操作端末やバーコードスキャナー等が搭載されている機種もあります。WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)と連携し入出庫データの更新をおこなうことが可能です。