スクラッチ開発とは、システム開発の手法の1つです。
スクラッチ開発は、既存のプログラムやアプリケーションを使用せず、システムを一から作り上げます。
ユーザーの独自の要件に対応するシステムの開発が可能です。
一方、パッケージソフトウェアやSaaSは、既存のシステムをベースとするため、開発期間やコストの削減が可能です。
しかし、カスタマイズには制限があり、ユーザーの独自の業務フローに合わせられない場合があります。
スクラッチ開発のメリットとして、ユーザーの要件に完全対応した独自のシステム開発ができることや、将来の機能拡張や変更に柔軟に対応することができること、ライセンス費用が不要であることが挙げられます。
一方、スクラッチ開発のデメリットとして、開発期間が長く初期コストが高くなること、開発・保守運用に専任できる人材が必要となることなどが挙げられます。
また、開発担当者や運用担当者が退職した場合、システムがブラックボックス化したり、運用や更改が困難になるリスクがあること、最新技術をシステムに反映する事が難しくなること、などが挙げられます。
物流分野でのスクラッチ開発例として、倉庫管理システム(WMS)や輸配送管理システム、自動倉庫システムなどがあげられます。
スクラッチ開発は、物流現場特有の複雑な要件や、他社との差別化を図る場合に有効ですが、開発体制や保守体制を整えることが重要となってきます。