物流ABCとは物流コストを管理する手法の 1つです。物流ABCの「ABC」とは、Activity Based Costingの略称で活動基準原価計算と訳されます。具体的には物流の作業ごとに原価計算することを意味します。例えば貨物や商品1箱あたりの梱包コストや、トラック1台あたりの稼働コストなど物流プロセスを分解し、作業ごとのコストを把握します。
物流ABCの目的は、細かく分解された作業において、どこでコストが発生しているのかを正確に把握することで、コスト削減につなげることです。物流プロセスの全体的なコストしか把握していない場合は、どのプロセスをコスト削減できるのかを見極めることは困難です。しかし、物流ABCを活用すると、1つの作業に対して生じたコストを可視化することができます。具体的な例として、ピッキング・検品・梱包・値札付けなど個々の作業内容別で「単価」と「処理量」に分解し、ピーク時に必要とされる最適なスタッフの人数などを算出することができます。
なお、物流ABCは以下の手順で算出します。
1.目的の明確化
2.作業内容の設定
3.全体のコストを把握
4.コストを作業ごとに分解
5.作業ごとの処理量を把握
6.作業ごとのコストと処理量から単価を算出