ラストワンマイルとは物流上の輸送において、倉庫や物流センター、配送センターから顧客に納品する最終目的地までの最終区間を意味し、届け先との最後の接点になります。特に、EC市場の拡大におけるBtoCの企業と消費者間の配送において、様々な課題が健在化しています。2023年時点で、「ラストワンマイル」は、こうした課題感も含めた言葉として使用されています。
特にコロナ禍によって、家庭における巣篭もりによるEC、通信販売のニーズが急増しました。加えて、当日配送や翌日配送のサービスの定着により、配送需要も急増しています。
配送側においては、輸送会社のドライバー不足、高齢化、2024年問題と言った課題を背景とする配送需要に対して、配送の供給が追いつかない状況が発生しています。
一方で、届け先の住人の不在による再配達の常態化、マンションのセキュリティ強化によって届け先まで時間がかかるなど、効率的な配送サービスが阻害されている要因もあります。ラストワンマイルはサービスの供給側だけでなく、需要側に起因する課題も含まれます。
主に物流におけるラストワンマイルには以下の課題があります。
こうしたラストワンマイルの課題解決のため、ロボットを利活用した配送の実証実験や、自宅に不在時でも荷物を受け取れる様に、受け取り用の宅配ボックスをコンビニや駅に設置するなど、配送側と荷受側の接点を確実にするサービスも始まっています。また、僻地などではドローンを利用した配送サービスの実証実験も行われています。