バース(Berth)とは、海上と陸上の両方で使用される物流用語で、貨物の荷卸しをする場所を意味します。
海上の場合はコンテナ船などの船舶が港に入港してから着岸し、コンテナや貨物の荷役を行うために停泊する岸壁や桟橋などの港湾施設をバースと呼びます。
陸上の場合は、倉庫や物流センターでトラックが接車し貨物の積み降ろしなどに使用するスペースを意味します。正式にはトラックバースですが、略してバースと呼ばれています。倉庫や物流センターによっては入庫・出庫の動線や作業の効率化を図るため、入庫・出庫別に異なるバースを設置している施設もあります。
トラックバースは、常温倉庫や冷蔵・冷凍倉庫でバースの形状が異なります。常温倉庫の場合は、貨物が外気に触れても品質には影響は少ないですが、冷蔵・冷凍倉庫の場合は、積み降ろしの際、冷凍トラックの扉を開けると冷気が逃げ、積荷の品質に影響を与えかねません。そのため、トラックの後尾が倉庫の建屋内に直接接続できるようにドックシェルターが設置されている施設があります。ドックシェルターとは冷蔵・冷凍トラックの荷室と倉庫内部を直接かつ連続的に接続することで温度変化を軽減し、外気・湿気・ホコリなどを防ぐカバー状の仕組みです。こうしたドックシェルターは食品を扱う冷蔵・冷凍倉庫に多く設置されています。
トラックバースによっては、倉庫や物流センターの床面の高さと、トラックの荷室の高さが異なる場合があります。そのため、積み降ろしを安全かつ効率的に実施できるよう、段差を解消するドックレベラーという設備が導入されている施設があります。これにより、フォークリフトなどが倉庫内から、トラック荷室内へ一気通貫で移動ができ、荷役の効率化とスピードアップを図ることができます。
尚、「トラックヤード」という用語もありますが、トラックバースが各々のトラックが荷卸しするスペースを意味する事に対し、トラックヤードは貨物の積み替え作業が行われる敷地全体を意味します。