サプライチェーン・レジリエンスとは、サプライチェーン(供給連鎖)におけるレジリエンス(回復力)を意味します。予測せぬトラブルや災害が発生した際に、サプライチェーンへの影響を最小限に抑え、供給の連鎖が途切れぬ様に迅速に修復・回復させる能力です。
サプライチェーンには、原材料や部品の調達から、製造・流通・販売に至るまで、サプライヤーや製造工場、輸送や倉庫などの物流事業者、卸売や販売店など、数多くのステークホルダーが存在します。また、そのネットワークは国内だけでなく複数の国々に渡って複雑に展開しています。サプライチェーンは気候変動や地政など様々な要因でのリスクがあります。
例えば、自然災害や国内外の紛争、感染症の拡大等によってサプライチェーン全体の機能が停止するリスクをはらんでいます。さらに社会環境の変化や、急速に変化するビジネス環境にも柔軟に対応する必要があります。
サプライチェーン・レジリエンスを実現するための具体的な施策には、以下が挙げられます。
原材料や部品の調達を1つのサプライヤーや1つの地域または国に依存した場合、サプライヤーのある地域や国に災害や問題が発生しただけでサプライチェーンが機能しなくなります。それらのリスクを回避するためにはマルチソースと呼ばれる複数の調達先を確保しておく必要があります。
原材料や部品の調達が滞った場合でも、製品の供給を維持し、一定期間持ちこたえることができるように、安全在庫を確保することは大切です。
サプライチェーン全体の状況を俯瞰できる仕組みをデジタルで構築します。さらにリアルタイムの状況把握が、リスクの予見とレジリエンスの向上につながります。