スマート物流とは、ITの技術により物流プロセス全体を最適化し、効率化を目指す試みのことです。
スマート物流は、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトであるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の1つです。
ITの活用などにより物流・商流データ基盤の構築や、日本におけるサプライチェーン全体の最適化を目指しています。
スマート物流の試みの背景には、少子高齢化や人口減少に伴う労働力不足によって、これまでの物流網の維持が困難になっていることや、個々の企業努力による部分最適化の取り組みでは解決が困難な物流クライシスの到来があります。
こうした状況に対して、国策レベルで物流網の全体最適に取り組んでいます。
スマート物流は、具体的に「共同配送や共同倉庫を目指すフェーズ」、「AI予測最適化や無人化を目指すフェーズ」を経て全体最適化をし、スマート物流サービスによって生産性の向上を30%実現することを目標としています。
参考:国土交通省『SIPスマート物流サービスの取組み』
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/content/001363931.pdf
スマート物流の取り組みには(A)(B)2つの研究開発項目があります。
1つ目の(A)はサプライチェーンの上流から下流までで取り扱われるデータの集約、解析・共有を目指しています。
2つ目の(B)は省力化・自動化に資する自動データ収集技術の開発です。荷台情報や
作業情報、重量・採寸情報などの収集を目指しています。
スマート物流の研究・社会実装が進み、サプライチェーン全体で標準化された情報基盤が構築されることで、情報に基づく計画物流が可能となり、SDGsにもつながる物流網の実現が期待されています。
引用:国土交通省『SIPスマート物流サービス概要 』
https://www.mlit.go.jp/common/001347064.pdf
引用:内閣府ホームページ「スマート物流サービス 」https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/230323/sanko4.pdf