目次
1.はじめに
みなさま、こんにちは。今回は、物流コンサルタンティングについて解説します。
世の中には経営コンサルティング会社、人材コンサルティング会社など、様々な種類のコンサルティング会社がありますが、物流領域を専門とするコンサルティング会社があることをご存知でしょうか?
聞いたことがあっても、物流コンサルティング会社にはあまり馴染みのない方が多いかもしれません。
本コラムではそんな方向けに、「物流コンサルティングとは何か」「物流コンサルティング会社はどんなサービスを提供するのか」、「どんなときに物流コンサルティング会社に相談した方が良いのか」など色々な観点から、財閥系倉庫会社と物流コンサルティング会社での勤務経験をもつ筆者が、独自の視点で物流コンサルティングについて紹介します。物流コンサルティングに興味のある方は是非参考にしてみてください。
2.物流コンサルティング、物流コンサルティング会社とは
コンサルティングとは、一般的に、経営や事業に関する問題について専門的な助言や提案をすることをいいます。クライアントが自社内で問題を解決できない場合や、解決はできそうでも多大なコストや時間を要すると見込まれる場合などに、専門的な立場からクライアントの手助けをするのがコンサルタント(コンサルティングを行う人のこと)です。そのため、物流コンサルティングとは、「物流領域において専門的な助言や提案をすること」を意味します。
物流コンサルティング会社は、主に物流事業を行う会社や物流業を営む会社をクライアントとして物流業務の改善提案をします。世の中には多くの物流コンサルティング会社があり、上場の大手コンサルティング会社から、個人事業主や小規模法人として活動しているコンサルタントまで様々です。
物流コンサルティング会社は、物流の専門家として問題点を見つけ、それを解決するためにクライアントに最適な提案を行います。そのほか、クライアントが抱える問題への助言もし、クライアントだけでは対応できないような幅広い範囲の施策を素早く実行します。
クライアントが自社内で解決しようとする場合、解決までに膨大な時間がかかってしまったり、時間のみを消費して結果的に解決できなかったりすることもあります。物流コンサルティング会社から客観的な助言をもらうことによって、これらの無理無駄を回避することができます。
余談になりますが、コロナウイルスの感染拡大によって物流DXが注目されるようになった2021年頃から、デジタル技術を用いる物流コンサルティング会社が相次いで設立し、その社数が急増しました。筆者が倉庫会社に勤務していた数年前までは、物流コンサルタントがクライアント企業の担当者と倉庫現場の視察に同行する様子は全く見たことがありませんでした。
しかし今では、それほど珍しくない光景となり、物流コンサルタントが以前よりも身近で相談しやすい存在として認知されていることを感じる機会が多くあります。
3.物流コンサルティング会社はどんな助言をしてくれる?
物流コンサルティング会社は、まず現状の業務プロセスを把握し、問題点を見つけ、改善のための提案をします。提案内容は様々ですが、例として以下のようなものがあります。
【Case1:倉庫内分析】
自社または採用した倉庫会社の倉庫内の使用状況を、ヒアリングや倉庫現場視察などによって確認します。集積したデータを客観的に分析し、問題点を見つけます。
基本的には保管倉庫のスペースが広ければ広いほど費用が高くなるため、省スペースで効率的に在庫の保管をすることで、コスト削減が見込めます。
例えば、倉庫内レイアウト(ネステナーの配置など)を調整する、などの対策があります。
【Case2:在庫分析】
自社または採用した倉庫会社の倉庫に保管している商品の在庫状況をヒアリングや倉庫現場視察などによって確認します。
基本的には在庫量が多くなればなるほど保管倉庫の使用スペースが広くなり、そのスペースが広ければ広いほど費用が高くなるため、無駄のない在庫管理をすることによって、コストの削減が見込めます。
例えば、長期間倉庫から出庫されていない商品や売れ行きのよい商品をリストアップして将来の生産数を調整する、などの対策があります。
【Case3:物流コスト分析】
輸送コスト、倉庫保管コストなどの物流コストに無駄がないかを確認します。
例えば、東京から大阪へ複数回に分けてトラックで商品を輸送している場合、その輸送車両を大型化して車両1台あたりで輸送する貨物量を増やしトラックの台数を減らすことにより、輸送効率を上げコストを削減する、などの対策があります。
【Case4:物流スキーム分析】
現状の物流スキームが最適であるかどうかを確認します。
例えば、中国から北海道まで船で貨物を輸送する場合、中国から北海道まで直接船で運ぶよりも、東京港まで船で運んだ後に北海道まで国内輸送をした方が効率的な場合があります。コストが安くなること、利便性が高くなること(例えば国内輸送の貨物船の出航数が多い場合等)など、クライアントにとってのメリットを踏まえて検討し、提案をします。
4.どんなときに物流コンサルティング会社に相談してみた方が良いのか?
物流事業に関して困り事があるときは、まずは物流コンサルティング会社に相談してみましょう。
専門的な知識を持つ物流コンサルタントからの助言や提案によって、自社では気づかなかったコストや業務時間の削減、業務効率改善方法がきっと見えてくるはずです。
現状の物流事業に関して課題があるとき、実際にコンサルティングを依頼する前に物流コンサルティング会社に自社の課題について相談することをオススメします。
5.どの物流コンサルタントに相談するのが良いのか?
具体的には、幅広く物流事業をしていて、物流業務の改善実績をもつ物流コンサルタントに相談するのが良い、と筆者は考えています。なぜなら、多くは以下①②の強みを持っているからです。
①幅広い知識と経験を豊富に蓄積している
②物流に関して最新で最先端の情報を保有している
まず、①知識と経験を豊富に蓄積している、について詳しく説明します。
この点は非常に重要な要素です。知識と経験の量はコンサルティングの品質に大きく影響します。逆に、知識も経験もないのであれば、そのコンサルティング会社を起用する価値はないと思います。
「物流」領域には多岐にわたる幅広い業務があります。一般的にイメージするトラックやトレーラーといった陸上輸送だけではなく、海上輸送、航空輸送、倉庫保管、流通加工なども含まれます。また、商材も様々で、扱うものにより物流面での対応手段は全く異なります。
例えば、衣類分野に関しては物流の知識と経験が豊富なコンサルタントであったとしても、食品分野に関しては全く経験がない、こともあり得ます。当然のことながら、衣類と食品では物流プロセスが全く異なるため、食品物流に関する知識や経験がなければ、食品物流の課題について適切な助言も提案もすることができません。
続いて、②物流に関して最新・最先端の情報を保有している、について説明します。
これは非常に重要な要素です。コンサルティング会社は常に最先端・最新の情報を収集し、クライアントにとって有益な情報を継続して更新しているかという点は注目すべきです。
6.物流コンサルティングのまとめ
今回は物流コンサルティングについて解説しました。現状、物流事業に関して課題や悩みを抱えているのであれば、是非一度物流コンサルティング会社に相談してみてはいかがでしょうか?鈴与グループは、言わずと知れた国内大手の物流企業のグループであり、鈴与シンワートはIT企業として、物流コンサルティング事業も手掛けています。物流分野とシステム分野両方の知見を活かし、物流分野における業務プロセスの改善とシステムの導入支援、物流DX推進などの提案をしています。
物流コンサルティングの知識、経験、実績、最先端情報をもつ鈴与シンワートに是非一度ご相談ください。