第5回 なぜ物流コンサルティングを利用するのか

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第5回 なぜ物流コンサルティングを利用するのか

物流業務コンサルティング

第5回 なぜ物流コンサルティングを利用するのか

公開 :2023.02.20 更新 : 2023.06.01

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物流の現場負荷の軽減や人手不足の解消など、経営課題を解決したい。あるいは現場をICT化したいが何から手を付けていいかわからないなど、様々な悩みを抱えているお客様は多いのではないでしょうか。

物流の領域では業界や企業毎に様々な課題が存在します。こうした課題解決のために自社内の人材や知見など、内部リソースを利用する方法もありますが、外部のリソースを利用することも極めて有効です。高度な専門的知識と課題解決力を有する物流コンサルティングを活用することで顧客の課題解決を目指すことができます。

物流コンサルティングを利活用することで、外部の専門的な知見によって自社の現状(as is)とあるべき姿 (to be) を明確にし、その間に存在するギャップ、すなわち課題の解決を目指します。このコラムでは課題解決のために「なぜ物流コンサルティングを利用するのか」について説明します。

1.そもそも物流コンサルティングとは

物流コンサルティングは、物流に関する様々な課題の解決策を顧客に提案し、伴走しながら施策のサポートをおこないます。物流に関する豊かで専門的な知識や方法を活用し、顧客企業の課題解決を図ります。

物流コンサルティングは、物流事業を営む会社がサービスを提供するもの、コンサルティング会社が提供するもの、ITベンダーが提供するものと様々な形態があります。目的に応じて、自社の課題解決に適したサービスを提供する会社を選択すると良いでしょう。

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2.物流コンサルティングを利用する背景と理由

物流コンサルティングを利用する際の背景と理由を以下に記します。

1.現状の整理・課題の発掘

物流コンサルティングによるデータの分析やヒアリング、現場の視察等で得られた様々な定量的、定性的なデータを整理することで、課題を発掘し可視化することができます。こうして明らかになった課題が、特定の部署や工程等に起因するものか、あるいはサプライチェーンの上流や下流工程にも起因するものか、全体を俯瞰して判断することができます。

2.改善施策の実施

物流に精通した知見や分析手法を活用して、専門的で効果的な施策が期待できます。改善施策は優先度や時間軸を考慮しスピーディーに実施されます。

3.効果検証の実施

物流コンサルティングは、実施した施策に対し、効果検証を行うことができます。効果検証を適切におこない、実際に施策が定着する様にKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)やKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定しPDCAを回すことができます。

こうした一連の工程は、忙しい物流の現場で本業を抱えながら片手間で行うことは難しいのではないでしょうか。また物流現場の当事者ゆえのバイアスで、課題の発掘深度が浅かったり、粒度が粗くなるケースも発生します。社内のリソース(人や時間)が充分に投下できない場合、物流コンサルティングによる課題解決は真因に迫る有効な手段となります。

物流コンサルティング会社は同業他社の課題解決の事例や、ベンチマークとなる知見も多く有しています。自社のみでは知り得ないこうした知見が課題解決にも活かされます。また、具体と抽象を俯瞰しながら課題解決に導くことができるのが、物流コンサルティングの強みとも言えるでしょう。

3.物流コンサルティングを利用するメリット

物流コンサルティングを利用するメリットについて説明します。物流コンサルティングを利用することで、自社にはない客観的な視点で、現状の課題を深掘りできます。また、自社が保有しない社外の知見を得られることです。コンサルティング会社が保有する業界の様々な情報や知見のみならず、他業界における同様の課題解決の事例に触れることできます。

物流コンサルティングを利用することで、中立的でニュートラルな立場から「as is」「to be」の設計が可能となり、顧客が目指す「to be」の解像度をあげることができます。

加えて、課題解決のために外部のリソースを確保でき、精度の高い改善施策が実施できる

ことがあげられます。社内の人材を課題解決のプロに育成するためには多大な時間と労力が必要となり、そこにコストを投下できる企業は少ないのではないでしょうか。

「餅は餅屋」のたとえのごとく、高い専門性を有し課題解決のプロフェッショナルである物流コンサルティングを活用することは、時間とコストの面からもメリットがあると言えるでしょう。

物流コンサルティングを活用し、工数とコストの削減が可能

4.物流コンサルティングを利用する際の注意点

物流コンサルティングを利用する際に、顧客が陥りがちな点として、コンサルティング会社が課題を全て解決してくれると考えてしまうことです。コンサルティング会社は課題解決のプロフェッショナルですが、あくまで解決の主体は顧客側となります。顧客企業に伴走しながら、課題解決をサポートするのが物流コンサルティングです。

物流の領域は極めて広く、業界や企業の形態も多岐に渡ります。また、物流のスキームやオペレーションも業界や企業毎に異なります。例えば、製造業と小売業では物流の形態も異なります。小売業の中でも、食品業界とファッション業界ではその仕組みは全く異なります。

倉庫のオペレーションについても、属人的な作業が残る業界と、自動化が進んだ ECの様な業界があります。こうした異なる事業環境では抱える課題も様々です。

どのような分野に強みや実績があるのか、充分な見極めを行い、自社の課題解決に適切な物流コンサルティング会社を選択すると良いでしょう。

例えば、物流のITシステムに関わるコンサルティングを依頼する場合、特定のITベンダーの場合、課題解決のために提案されるハードウエアやアプリケーションがそのベンダーの製品に固定されてしまうケースもあります。こうしたケースはベンダーフリーの独立系の物流コンサルティング会社に依頼する方が良いでしょう。

5.物流コンサルティングを利用して得られる成果

物流コンサルティングを利用することで、物流のオペレーションやマネジメントの領域で、課題解決を図ることができます。業務フローやオペレーションの適正化、省人化や自動化、コストや時間削減の成果を得ることができます。

例えば、資材の在庫の全体量や在庫配置が、全社レベルで把握できていないケースがあるとしましょう。重複発注による過剰在庫や無駄なコスト、転送等が発生していましたが、物流コンサルティングを活用することで、全体を俯瞰して課題を特定し、解決の施策を行うことができます。

物流コンサルティングは、本来顧客が行うべき本業への回帰や、生み出された時間や原資で、新たな価値創造につなげることができます。

6.まとめ

物流コンサルティングは、専門的知識と課題解決のノウハウを利用することで、顧客の現状(as is)とあるべき姿 (to be) を明確にすることができます。課題解決の施策を立て、実行し効果を測定することで、あるべき姿の実現を目指すことができます。

実際に物流事業を行っている企業では、輸送や倉庫事業、海外物流事業などから蓄積された膨大な知見とノウハウを有しています。多様な方法やツールによる解決策を物流コンサルティングに活用することができます。

鈴与シンワートでは「鈴与グループが持つ物流ノウハウ」と「鈴与シンワートのシステム開発力」を生かし、物流の課題を解決する最適なソリューションをご提案します。
鈴与シンワートが物流の課題解決をした日比谷花壇様の導入事例はこちらからご覧になれます。

日比谷花壇様「物流ITコンサルティング」導入事例
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著者:蜂巣 稔

蜂巣 稔(はちす みのる)1967年生まれ。東京都出身。 大学卒業後、米国系のIT企業に入社。営業職を経てバックオフィスで輸出入、国内物流を担当。1999年通関士試験合格。 2002年に日本コカ・コーラ株式会社に転職。SCM(サプライチェーンマネジメント)部門にて一貫して国内輸送、3PL、在庫最適化、供給計画立案、購買業務に従事。飲料原料のサプライチェーンの上流から下流まで精通。 2021年日本コカ・コーラ株式会社を退職し起業。葉山ウインズ合同会社を設立。宣伝会議(株)編集・ライター養成講座43期卒業。上阪徹のブックライター塾第9期卒業。ダイレクト出版(株)セールスライター認定コース修了。物流ライターとして活動中。大手上場企業のオウンドメディアにてDXに関する記事も執筆中。

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